はじめに…
動物の体が必要とする栄養素は、炭水化物・脂質・タンパク質・ビタミン・ミネラルと人と同じですが、人と犬と猫ではそれぞれ適切な栄養バランスは全く違うのです!!!
こちらをご覧ください(^U^)/
ロイヤルカナン 「ワンちゃんネコちゃんの健康/病気と食事」より抜粋
人にとって栄養バランスが良くても、犬や猫にとって塩分が異常に高いことやその他のバランスも全くとれていないことがよく分かると思います。
たとえ犬や猫の栄養バランスが分かっていても、手作り食にするのは至難の業!!
こんな時に便利なのがペットフードなのです
では、どのように選べば良いのでしょうか??
給与試験済みの総合栄養食を選びましょう
『総合栄養食』とは、ペットフード公正取引協議会がペットが生きていく上で必要な栄養素を満たしていると認めた食品のことを言います。つまり、その食事と新鮮な水だけを与えていれば栄養不足になることはありません。
『一般食』や『副食』などと表示されているペットフードは、ビタミンやミネラルなどを他に補ってあげることが必要です。品質の良し悪しではなく、それのみを与えていると栄養不足になってしまうということなのです。上手く栄養管理ができれば、それでも良いこともあります。
総合栄養食のペットフードには、写真のような表示がされています。(メーカーにより表示方法はそれぞれですが)
(ペットフード公正取引協議会では、総合栄養食を証明する基準として、世界的に認められた小動物の栄養基準となっているAAFCO(全米飼料検査官協会)の分析試験による栄養基準、または給与試験プロトコールを採用しています)
ライフステージに合わせたものを与えましょう
犬・猫のライフステージは大きくわけて成長期、成犬・成猫期、老齢期の3つに分けられます。
成長期 | 成犬・成猫期 | 老齢期 | |
猫 | 生後50日~12ヵ月まで | 1歳~約7歳 | 約7歳~ |
小・中型犬 | 生後50日~12ヵ月まで | 1歳~約7歳 | 約7歳~ |
大・超大型犬 | 生後50日~18ヵ月まで | 1歳半~約5歳 | 約5歳~ |
なぜライフステージに合わせて食餌内容を変えなければいけないのでしょうか
離乳をしてどんどん体が大きくなってくる成長期、大人の体が出来上がり安定してくる成犬・成猫期、代謝や運動量が減ってくる老齢期では、必要とされる栄養量が違います。
例えば、大人の体に成長した成犬・成猫に成長期用の食餌を与え続ければ高カロリーになり肥満になってしまったり、逆に成長期の犬・猫に老齢期用の食餌を与えれば、成長に支障をきたすばかりでなく、栄養不足になってしまうのです!!
◆成長期
成長期の適切な栄養管理は、健康な成犬・成猫に育つための重要な鍵をにぎっています!!
この時期は骨や筋肉が成長し、体が大きくなるだけではなく、体の諸機能も成長する大事な時期です。
たくさんカロリーは必要としますが、まだまだ口や胃は小さく一度にたくさんは食べられません。食事回数は、4ヵ月頃までは1日に3~4回、12ヵ月頃までに1日2回に移行するようにしましょう。
特に猫は、離乳から生後6週齢頃までに限られたフードしか食べていないと、将来偏食しやすくなってしまいます。
離乳食は成長期のフードで、いろいろな風味(魚やお肉)、やタイプ(缶詰やドライフード)のものを与えるようにすると嗜好の幅が広がると言われています。
◆成犬・成猫期
成犬・成猫に成長した体は成長期に比べ、そんなに多くのカロリーを必要としなくなります。
活発で運動量の多い子はカロリー強化しているフードを、おうちの中でじっとしていることが多い子はカロリー控えめのフードを選ぶと良いでしょう。
理想体重を維持することが健康管理のポイントとなってきます。
食餌以外に与えるおやつなども、見極めて選ぶようにしましょう。当院にご相談ください♪
又、去勢・避妊手術をした子は更に基礎代謝が落ちるため、肥満には注意しましょう。
◆老齢期
7歳から老齢期が始まるからといって、それまで使用していたフードで体格や健康状態に問題がない場合は、あえて食餌を変える必要はありません。
今までのフードを続けて、食欲が低下したり体重が減ってくる時には、少量で必要エネルギー量を摂取できるエネルギー密度の高い食餌に変えましょう。
視覚や嗅覚が低下すると食欲が出なくなってしまうことがあります。
そんな時には缶詰を電子レンジで温めたり、ドライフードをお湯でふやかすなどの工夫が必要です。