何を保証してくれるの?
私たち人間と同じように、動物にもケガや病気のリスクがあります。特に「皮膚炎」や「膀胱炎」、「胃腸炎」などは、多くの犬や猫が経験する病気の1つと言えるでしょう。また、ペットの「誤飲」、「骨折」、「脱臼」などの事故も珍しくなく、公的健康保険制度のないペットの診療費は高額になりがちです。
東京都福祉保健局の東京都における犬及び猫の飼育実態調査の概要(平成29年度)によると、ペットにかかる年間医療費は、犬でおよそ30,000~60,000円程度、猫で10,000~30,000円程度と回答した飼育者が約3割にのぼるなど、負担は決して小さいものではありません。
診療費の実例を挙げれば、犬の「アレルギー性皮膚炎」なら2回の投薬通院で約30,000円、猫の「尿石症」だと2泊3日の入院治療で120,000円ほどかかるケースもあります。
ペット保険の加入を検討する際、考慮すべきは、「保険会社によって補償内容が異なる」ということです。一般的には通院・入院・手術の3つが補償対象となっていますが、免責事項を設定している保険会社もあります。犬種や猫種によってはリスクの高い病気があることも念頭において、まずは保険会社別に補償内容を確認・比較することが大切です。
一方で、ペット保険には返戻金や蓄えの要素がなく、税制の控除もありません。いわゆる掛け捨てで、ケガや病気がなければ無駄になってしまうとの見方もあります。保険に加入せずに「自分で積み立てて貯蓄する」という考え方もありますが、早期に大きな病気をしてしまう、長期の通院が必要になるなど、診療費がかさむ可能性も考えておくのがよいでしょう。
ケガや病気は時期を予測できないものです。ある程度の貯蓄があれば、多少の診療費には対応することができるでしょう。しかし、治療の内容によってはその範囲を超えるかもしれません。
保険は、万が一の備え
どうしても「損得」で考えてしまいますが、場合によってはもっと大きな診療費が必要になるケースや長期的な通院費がかかるケースもでてきます。1回あたりの費用は少なくても、数年の間に繰り返せば大きな出費となるでしょう。
ペット保険は、「万が一」のときにその効果を発揮します。いつ必要になるかわからない「未来への備え」なので、そこに損得勘定を挟むことはできません。とは言え、高額な保険料に見合わない内容にならないように、補償範囲やプランの確認はしっかりと行いましょう。